(地方公共団体)
第四条 地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じた温室効果ガスの
排出の削減等のための施策を推進するものとする。
2 地方公共団体は、自らの事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のた
めの措置を講ずるとともに、その区域の事業者又は住民が温室効果ガスの排出の
抑制等に関して行う活動の促進を図るため、前項に規定する施策に関する情報の提
供その他の措置を講ずるように努めるものとする。
(事業者の責務)
第五条 事業者は、その事業に関し、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置
(他の者の温室効果ガスの排出の抑制等に寄与するための措置を含む。)を講ずる
ように努めるとともに、邦雄予備地方公共団体が実施する温室効果ガスの排出の抑
制等のための施策に協力しなければならない。
(国民の責務)
第六条 国民は、その日常生活に関し、温室効果ガスの排出の抑制等のための措
置を講ずるように努めるとともに、国及び地方公共団体が実施する温室効果ガスの
排出の抑制等のための施策に協力しなければならない。
(基本方針並びに政府の事務及び事業に関する実行計画等)
第七条 政府は、地球温暖化防止対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、地
球温暖化対策に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 地球温暖化対策の推進にかする基本的方向
二 国、地方公共団体、事業者及び国民のそれぞれが講ずべき温室効果ガスの排
出等のための措置に関する基本事項
三 政府がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のため実行す
べき措置について定める計画に関する事項のうち、次に掲げるもの
イ 当該計画の策定、変更及び公表に関すること。
ロ 当該計画に定めるべき措置の内容、当該措置により達成すべき目標その他
当該計画の内容に関すること。
ハ 当該計画に基づく措置の実施の状況(温室効果ガスの総排出量を含む。)の
公表に関すること。
四 温室効果ガスの総排出量が相当程度多い事業者について温室効果ガスの排出
の抑制等のための措置(他の者の温室効果ガスの排出の抑制等に寄与するた
めの措置を含む。)に関し策定及び公表に努めるべき計画に関する基本的事項
五 前各号に掲げるもののほか、地球温暖化対策に関する基本事項
3 内閣総理大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、関係行
政機関の長と協議しなければならない。
5 内閣総理大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときには、遅滞なく、
基本方針を公表しなければならない。
6 前三項の規定は、基本方針の変更について準用する。
(地方公共団体の事務及び事業に関する実行計画等)
第八条 都道府県及び町村は、基本方針に即して、当該都道府県及び市町村の事
務及び事業に関し、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画(以下
この条において「実行計画」という。)を策定するものとする。
2 都道府県及び市町村は、実行計画を策定し、又は変更したときは、遅滞なく、これ
を公表しなければならない。
3 都道府県及び市町村は、実行計画に基づく措置の実施の状況(温室効果ガスの
総排出量を含む。)を公表しなければならない。
(事業者の事業活動に関する計画等)
第九条 事業者は、その事業活動に関し、基本方針の定めるところに留意しつつ、
単独に又は共同して、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置(他の者の温室
効果ガスの排出の抑制等に寄与するための措置を含む。)に関する計画を作成し、
これを公表するように努めなければならない。
2 善行の計画の作成及び公表を行った事業者は。基本方針の定めるところに留
意しつつ、単独に又は共同して、同項の計画に係る措置の実施の状況を公表する
ように努めなければならない。
(地球温暖化防止活動推進員)
第十条 都道府県知事は、地域における地球温暖化の現状及び地球温暖化対策に
関する知識の普及並びに地球温暖化対策の推進を図るための活動の促進に熱意
と見識を有する者のうちから、地球温暖化防止活動推進員を委託することができる。
2 地球温暖化推進員は、次に掲げる活動を行う。
一 地球温暖化の現状及び地球温暖化対策の重要性について住民の理解を深め
ること。
二 住民に対し、その求めに応じ日常生活に関する温室効果ガスの排出の抑制等
のため必要な助言をすること。
三 地球温暖化対策の推進を図るための活動を行う住民に対し、当該活動に関す
る情報の提供その他の協力をすること。
四 温室効果ガスの排出の抑制等のために国又は地方公共団体が行う施策に必
要な協力をすること。
(都道府県地球温暖化防止活動推進センター)
第十一条 都道府県知事は、地球温暖化対策に関する普及啓発を行うこと等により
地球温暖化の防止に寄与する活動の促進を図ることを目的として設立された民法
(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人であって、次項に規定する事業
を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、都道府県
に一を限って、都道府県地球温暖化防止活動推進センター(以下「都道府県センター」
という。)として指定することができる。
2 都道府県センターは、当該都道府県の区域において、次に掲げる事業を行うもの
とする。
一 地球温暖化の現状及び地球温暖化対策の重要性について啓発活動及び広報
活動を行うとともに、地球温暖化防止活動推進員及び地球温暖化対策の推進
を図るための活動を行う民間団体の活動を助けること。
二 日常生活に関する温室効果ガスの排出の抑制等のための措置について、照会
及び相談に応じ、並びに必要な助言を行うこと。
三 前号の規定する照会及び相談の実例に即して、日常生活に関する温室効果ガ
スの排出の実態について調査を行い、当該調査に係る情報及び資料を分析す
ること。
四 地球温暖化対策の推進を図るための住民の活動を促進するため、前号の規
定による分析の結果を、定期的に又は時宣に応じて提供すること。
五 全各号の事業に附帯する事業
3 都道府県知事は、都道府県センターの財産の状況又はその事業の運営に関し
改善が必要であると認めるときは、都道府県センターに対し、園か羽前に必要な措
置をとるべきことを命ずることができる。
4 都道府県知事は、都道府県センターが前項の規定による命令に違反したときは、
第一項の指定を取り消すことができる。
5 都道府県センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、第二項第二
号若しくは第三号に掲げる事業又は同項第五号に掲げる事業(同項第二号又は第三
号に掲げる事業に付帯する者に限る。)に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
6 第一項の指定の手続その他都道府県センターに関し必要な事項は、総理府令で
定める。
(全国地球温暖化防止活動推進センター)
第十二条 環境庁長官は、地球温暖化対策に関する普及啓発を行うこと等により地
球温暖化の防止に寄与する活動の促進を図ることを目的として設立された民法第三
十四条の法人であって、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認
めれれるものを、その申請により、全国に一を限って、全国地球温暖化防止活動推進
センター(以下「全国センター」という。)として指定することができる。
2 全国センターは、次に掲げる事業を行うものとする。
一 地球温暖化の現状及び地球温暖化対策の重要性についての二以上の都道府
県の区域における啓発活動及び広報活動を行うとともに、二以上の都道府県の
区域において地球温暖化対策の推進を図るための活動を行う民間の団体の活
動を助けること。
二 日常生活に関する温室効果ガスの排出の実例に即して、日常生活に関する温室
効果ガスの排出の抑制等のための措置を促進する方策の調査研究を行うこと。
三 前号に掲げるもののほか、地球温暖化及び地球温暖化対策に関する調査研究
並びに情報及び資料の収集、分析及び提供を行うこと。
四 日常生活における利用に伴って温室効果ガスの排出がされる製品について、当
該は移出の量に関する情報の収集及び提供を行うこと。
五 都道府県センターの事業について連絡調整を図り、及びこれに従事する者に対す
る研修を行い、並びに都道府県センターに対する指導その他の援助を行うこと。
六 前各号の事業に附帯する事業
3 環境庁長官は、第一項の指定をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の
長と協議しなければならない。
4 前条第三項、第四項及び第六項の規定は、全国センターについて準用する。この
場合において、同条第三項中「都道府県知事」とあるのは「環境庁長官」と、同条第四
項中「都道府県知事」とあるのは「環境庁長官」と、「第一項」とあるのは「次項第一号」
と、同条第六項中「第一項」とあるのは「次条第一項」と読み替えるものとする。
(温室効果ガスの総排出量の公表)
第十三条 政府は、毎年、我が国における温室効果ガスの総排出量を算定し、総理
府令で定めるところにより、これを公表するものとする。
(関係行政機関の協力)
第十四条 環境庁長官は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるとき
は、関係行政機関の長に対し、温室効果ガスの排出の抑制等に資する施策の実施に
関し、地球温暖化対策の推進について必要な協力を求めることができる。
2 環境庁長官は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係
都道府県知事に対し、必要な資料の提出又は説明を求めることができる。
(経過措置)
第十五条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、
その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、
所要の経過措置を定めることができる。
(罰則)
第十六条 第十一条第五項の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を越えない範囲内において政令で
定める日から施行する。ただし、第一条、第二条第一項、第二項及び第四項並びに
第三条から第六条まで並びに附則第三条の規定は、公布の日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律の施行の状況について
検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(環境庁設置法の一部改正)
第三条 環境庁設置法(昭和四十六年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。
第四条第六号の二の次に次の一号を加える。
六の三 地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第 号)の施行に関
する事務を処理すること。
理 由
地球温暖化が地球全体の環境に深刻な影響を及ぼすものであり、その防止が人類
共通の課題となっていることにかんがみ、地球温暖化対策の推進を図るため、政府に
おいて地球温暖化対策に関する基本方針を定め、政府及び地方公共団体において当
該基本方針に即した自らの事務及び事業に関する温室効果ガス排出の抑制等のため
の計画を策定するとともにこれにも続く措置の実施状況の公表を行うことを義務付け、
併せて事業者及び国民に対して、地球温暖化の防止のために努力すべき目標を提出
する理由である。